リヴィエール夫人の肖像
画家 アングル →Portrait de Madame Rivière / ルーヴル美術館
白い衣装の女性が青い背もたれに身を預け、こちらを見る初期の肖像。
何が描かれているか
白い衣装に身を包んだ女性が、青い背もたれに肘を置いて身を預ける。細い指を顔に添え、こちらへまっすぐ視線を向けている。モデルはサビーヌ・リヴィエール。衣服やショールの細部を描きながら、背景には大きな空間を作らず、人物の姿へ目を集めている。楕円形の画面に合わせて、肩から腕、腰へと続く線がゆるやかに曲がる。
作品の見どころ
白い布には暖かな陰影があり、青い布や赤い模様のショールがその明るさを引き立てる。顔の輪郭から肩、肘へ視線を動かすと、衣装の質感だけでなく、形をつなぐ線の流れが見えてくる。指を頬に添える仕草は静かだが、正面に向けた目は鑑賞者との距離を縮める。華やかな衣装と落ち着いた表情を同時に見る肖像である。
制作背景
ルーヴル美術館は1805年の作品として登録している。アングルは同じ年にリヴィエール家の父と娘も描いた。三人の肖像を比べると、同じ家族でも姿勢や画面の形を変えていることが分かる。この一枚では、身分を示す衣装だけに頼らず、横たわる姿の曲線を生かして個人の存在感を作り出した。若い時期から続く肖像画への関心を示す。
出典・画像について
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《リヴィエール夫人の肖像》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程は法域で扱いが異なる可能性があります。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
東京藝大で教わる西洋美術の見かた 基礎から身につく「大人の教養」
佐藤 直樹 著 / 世界文化社
東京藝術大学での講義をもとに、作品の細部や比較図版から鑑賞を学べる入門書です。カンピンに加え、アングルを扱う章もあります。
楽天ブックスで見る →