ベルタン氏の肖像
画家 アングル →Portrait de Louis-François Bertin / ルーヴル美術館
新聞人ルイ=フランソワ・ベルタンが椅子に座り、両手を膝につけてこちらを見る。華やかな衣装や道具はなく、黒い上着。
何が描かれているか
新聞人ルイ=フランソワ・ベルタンが椅子に座り、両手を膝につけてこちらを見る。華やかな衣装や道具はなく、黒い上着と白い襟だけが目立つ。体をやや前へ出す姿勢と正面に向けた目が、人物の強い存在感を作る。何を考えているかを絵から決めつけることはできないが、鑑賞者と向き合うような近さを感じさせる肖像である。
作品の見どころ
手のひらが膝を押さえ、肘が外へ張り出している。その三角形の形を見ると、座った人物なのに画面の中で大きく広がる。顔と手には光が当たり、暗い上着の輪郭が背景から浮かぶ。豪華な装飾を省いたぶん、顔の皺や大きな手、座り方に視線が集まる。威厳は王冠などの記号ではなく、本人の身体の置き方から伝わってくる。
制作背景
ルーヴル美術館は1832年の作品として登録している。ベルタンは新聞『ジュルナル・デ・デバ』を率いた人物で、同時代の社会に影響力を持った。アングルは皇帝像のような公式の姿とも、神話の人物とも違う、市民社会の一人を描いた。モデルの立場を知ると、正面から向き合う構図の意味がいっそう見えてくる。
出典・画像について
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《ベルタン氏の肖像》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程は法域で扱いが異なる可能性があります。
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