1832年
52歳頃

ベルタン氏の肖像

画家 アングル →
Portrait de Louis-François Bertin / ルーヴル美術館
新聞人ルイ=フランソワ・ベルタンが椅子に座り、両手を膝につけてこちらを見る。華やかな衣装や道具はなく、黒い上着。

何が描かれているか

新聞人ルイ=フランソワ・ベルタンが椅子に座り、両手を膝につけてこちらを見る。華やかな衣装や道具はなく、黒い上着と白い襟だけが目立つ。体をやや前へ出す姿勢と正面に向けた目が、人物の強い存在感を作る。何を考えているかを絵から決めつけることはできないが、鑑賞者と向き合うような近さを感じさせる肖像である。

作品の見どころ

手のひらが膝を押さえ、肘が外へ張り出している。その三角形の形を見ると、座った人物なのに画面の中で大きく広がる。顔と手には光が当たり、暗い上着の輪郭りんかくが背景から浮かぶ。豪華な装飾を省いたぶん、顔の皺しわや大きな手、座り方に視線が集まる。威厳は王冠などの記号ではなく、本人の身体の置き方から伝わってくる。

制作背景

ルーヴル美術館は1832年の作品として登録している。ベルタンは新聞『ジュルナル・デ・デバ』を率いた人物で、同時代の社会に影響力を持った。アングルは皇帝像のような公式の姿とも、神話の人物とも違う、市民社会の一人を描いた。モデルの立場を知ると、正面から向き合う構図こうずの意味がいっそう見えてくる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ルーヴル美術館(RF 1071)

出典・画像について

出典:ルーヴル美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《ベルタン氏の肖像》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-09-26 確認)
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程は法域で扱いが異なる可能性があります。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

東京藝大で教わる西洋美術の見かた 基礎から身につく「大人の教養」
佐藤 直樹 著 / 世界文化社
東京藝術大学での講義をもとに、作品の細部や比較図版から鑑賞を学べる入門書です。カンピンに加え、アングルを扱う章もあります。
楽天ブックスで見る →