1806年
26歳頃

玉座のナポレオン1世

画家 アングル →
Napoléon Ier sur le trône impérial / 軍事博物館(パリ)
皇帝ナポレオンが玉座に正面を向いて座る。頭には冠、肩には赤いマントをまとい、両手には権力を示す笏と「正義の手」。

何が描かれているか

皇帝ナポレオンが玉座に正面を向いて座る。頭には冠、肩には赤いマントをまとい、両手には権力を示す笏と「正義の手」を持つ。胸の飾りや衣装の刺繍まで細かく描かれ、人物は画面の中心に左右対称に近い形で置かれる。日常の姿を記録する肖像ではなく、皇帝という地位を目で分かる形にした公式のイメージである。

作品の見どころ

赤、白、金の強い色が画面を満たす。丸い冠から顔、胸の装飾、足元へと縦に目を動かすと、座っている人物が柱のように見える。毛皮の白い点、金糸、玉座の模様はそれぞれ異なる質感で表されている。正面から見る構図こうずには距離を置かせる厳しさがあり、飾りの豪華さだけでなく、動かない姿勢そのものが権威を伝える。

制作背景

軍事博物館は1806年の作品として紹介する。アングルは古い宗教画や王の像にも通じる正面性を用い、新しいフランス皇帝の姿を作った。のちの女性像や肖像画の柔らかな曲線と比べると、同じ画家が目的に応じて人物の見せ方を大きく変えたことが分かる。権力者の注文に応える絵が、政治的な意味を持つことも考えさせる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
軍事博物館(パリ)

出典・画像について

出典:軍事博物館(パリ) 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《玉座のナポレオン1世》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-09-26 確認)
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程は法域で扱いが異なる可能性があります。
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