オイディプスとスフィンクス
画家 アングル →Œdipe explique l’énigme du Sphinx / ルーヴル美術館
若いオイディプスが岩に片足を置き、暗い洞窟のスフィンクスと向き合う。怪物は人の顔と獣の体を持ち、問いを出す相手。
何が描かれているか
若いオイディプスが岩に片足を置き、暗い洞窟のスフィンクスと向き合う。怪物は人の顔と獣の体を持ち、問いを出す相手として岩陰から現れる。画面下には命を失った人の姿も見える。ギリシャ神話の謎解きの場面だが、答えを口にする瞬間より、二者が向き合う緊張に力が置かれている。明るい人体と暗がりの怪物の差が、危険をすぐに伝える。
作品の見どころ
オイディプスの身体は輪郭がはっきりし、筋肉の形まで丁寧に描かれる。腕から指先へ伸びる線を追うと、視線は自然にスフィンクスへ届く。対する怪物は岩と一体になるように暗く、顔だけがこちらを向く。片足を高く置いた姿勢は安定して見える一方、谷へ落ちそうな険しい場所が場面を不穏にする。知恵と危険を同じ画面に並べた構図である。
制作背景
ルーヴル美術館は1808年の制作と、その後の加筆を記録している。したがって現在見える絵を、1808年当時のままの姿と考えない。アングルはローマ滞在期に古代の物語を題材にし、人体を研究した。この作品でも、物語の説明を多く描き足すより、一人の青年の体と視線に集中する。古典への関心が初期から強かったことを示す一枚である。
出典・画像について
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《オイディプスとスフィンクス》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程は法域で扱いが異なる可能性があります。
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