丸い画面の浴場に、多くの女性が座り、横たわり、楽器を奏でる。手前には背を向けた女性がおり、その姿は若い頃の《ヴ。
何が描かれているか
丸い画面の浴場に、多くの女性が座り、横たわり、楽器を奏でる。手前には背を向けた女性がおり、その姿は若い頃の《ヴァルパンソンの浴女》を思わせる。奥へ視線を動かすと、体の向きや姿勢が少しずつ違う人物が重なっている。題名の「トルコ」は実際の浴場を現地で記録したという意味ではなく、当時のヨーロッパで作られた異国趣味の想像を含む。
作品の見どころ
円形の縁に沿って体の曲線が並び、中央では人物が重なり合う。明るい肌と暗い背景、白い布と赤い布が入り混じり、一人ずつ見ると群像の中でも異なる役割が見える。手前の背中から奥の人物へたどると、狭い空間のようでいて視線は何度も回る。画面の丸い形そのものが、人物を囲い込む構図の一部になっている。
制作背景
ルーヴル美術館は1862年の作品として登録する。もとは1859年に長方形の画面として制作され、後に円形へ改められた。若い頃に描いた身体の形を再び使いながら、晩年には大勢の人物を組み合わせた。《グランド・オダリスク》と同じく、異国の女性像を想像で作った時代の視線を考えつつ、長年続いた線と人体への関心を見ることができる。
出典・画像について
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《トルコ風呂》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程は法域で扱いが異なる可能性があります。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
東京藝大で教わる西洋美術の見かた 基礎から身につく「大人の教養」
佐藤 直樹 著 / 世界文化社
東京藝術大学での講義をもとに、作品の細部や比較図版から鑑賞を学べる入門書です。カンピンに加え、アングルを扱う章もあります。
楽天ブックスで見る →