山や騎手を思わせる形を残しつつ、黒い線と鮮やかな色で大きな画面を組み立てた作品。
何が描かれているか
明るい地の上で赤、黄、青が広がり、黒い線が画面を斜めに横切っています。右側には青い山のような形が見えます。左の重なった線や色からは、馬や騎手を思わせる姿を探すこともできます。ただし、場面全体を一つの風景として読み切るのは難しく、色と線がそれぞれの方向へ動く構成になっています。
作品の見どころ
左右を比べると、左側では線が密にぶつかり、右側では大きな色面がゆったり広がります。この差によって、騒がしい場所と静かな場所を行き来するような見方ができます。黒い線は物の輪郭を示すだけでなく、画面を分けたり、視線を引っぱったりします。題名の「コンポジション」は構成を意味する言葉です。物の名前を当てることと同じくらい、線の向きや色の重さを比べることが鑑賞の手がかりになります。
制作背景
1911年に油彩とテンペラで描かれた、幅約2.5メートルです。まだ風景や人物を連想できる段階ですが、それらは色や線の関係を作る要素へ変わっています。後の《コンポジション VI》《コンポジション VII》と並べると、物語の手がかりが次第に見分けにくくなる過程を追えます。
出典・画像について
画像:ワシリー・カンディンスキー《コンポジション IV》/Commons掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
Commons個別ページのPD-Art / Public domain表示に基づく忠実な複製。
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この画家について本で読む
カンディンスキー 世界は鳴りひびく
宇都宮美術館ほか 編 / マイブックサービス
日本各地の所蔵作を集め、具象から抽象へ進む画業と、日本での受容をたどる展覧会図録です。
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