何が描かれているか
円、三角形、直線、格子が淡い地の上に置かれ、大小の形が緊張を保つ。
題名は《コンポジション VIII》。形を一つずつ探すだけでなく、色の広がり、線の方向、空白の配分を追うと、画面がどの順序で見えるよう組み立てられたかが分かる。
作品の見どころ
バウハウス期の幾何学を用い、静かな配置の中に形同士の強弱とリズムを作った。
近くでは筆触や色面の境界を、少し離れてからは全体の重心を見るとよい。写実から離れた部分も省略ではなく、視線の速度や強弱を調整する積極的な選択として働く。視線を往復させると、形の反復と差がより明確になる。
制作背景
1923年の作品。ソロモン・R・グッゲンハイム美術館の記録を基準に、技法は「油彩、カンヴァス」として整理した。制作年に幅がある場合は、所蔵先の表記を保ち、単年へ決めつけていない。
原題は「Composition 8」。後の様式名だけで説明を終えず、この時点で画家が何を残し、何を変えたかに注目する。作品から直接読めない心理や象徴は断定していない。