何が描かれているか
大きな色の帯が斜めに画面を横切り、その上に小さな円、曲線、格子模様などが重なっています。帯は色ごとに分かれていながら、画面の端から端へ同じ方向の流れを作ります。一方、上に置かれた形は、丸みのある体や細かな内部を持つ生物のようにも見えます。直線的な地と、輪郭の複雑な小さな形が、二つの異なる動きを生んでいます。
作品の見どころ
まず大きな斜線の流れを見てから、細かな形へ目を移すと、構成の二つの尺度が分かります。小さな形を微生物の種類へ当てはめる必要はなく、幾何学的な図形とは違う、伸びたり分かれたりする輪郭を楽しめます。1920年代の《白の上 II》では線の交差が中心でしたが、ここでは広い帯と小さな形の関係が前に出ています。同じ「コンポジション」でも、画家が使う形の語彙が変わったことを知る手がかりです。
制作背景
1936年、フランスに移ってから制作されました。ポンピドゥー・センターの記録では、1939年に国家が購入しています。晩年に生物を思わせる形が増えたことを、代表的な大作で確かめられます。