色彩習作―同心円のある正方形
画家 ワシリー・カンディンスキー →Farbstudie – Quadrate mit konzentrischen Ringen / レンバッハハウス美術館
同じ円の組合せを十二の区画で試し、隣り合う色による見え方の違いを比べた習作。
何が描かれているか
紙面が十二の四角い区画に分かれ、それぞれに中心を同じくする色の輪が重なっています。赤い中心の周囲に青や黄があるもの、暗い輪に明るい色が接するものなど、配色は区画ごとに異なります。円は定規で均一に整えた図形ではなく、輪の太さや輪郭に手の動きが残っています。繰り返す形に違った表情があります。
作品の見どころ
どの区画が一番明るく見えるか、中心が近く感じられるのはどれかを比べると、色の関係が分かりやすくなります。同じ赤でも、周囲が青か黄かによって印象が変わるように見えるでしょう。美しい配色を一つだけ完成させるというより、複数の組合せを並べて違いを確かめる習作です。難しい理論を先に覚えなくても、視線を左右へ移し、自分が感じる重さや明るさの差から鑑賞を始められます。
制作背景
所蔵館は1913年の色彩習作とし、水彩、グワッシュ、チョークを技法として挙げています。1922年から始まるバウハウスでの教職より前の作品であり、当時の授業用教材と断定することはできません。物を描かなくても、色の配置だけで変化を作れることを、小さな紙面で具体的に示しています。
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この画家について本で読む
カンディンスキー 世界は鳴りひびく
宇都宮美術館ほか 編 / マイブックサービス
日本各地の所蔵作を集め、具象から抽象へ進む画業と、日本での受容をたどる展覧会図録です。
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