演奏会で受けた印象を、黒いピアノと広がる黄色の対比へ置き換えた作品。
何が描かれているか
大きな黒い形が画面の上部を占め、その周囲に黄色が広がっています。黒い形はグランドピアノを思わせ、左下には客席の人物の背中がまとまって見えます。演奏者や会場の細部ははっきり描き込まれていません。まず黒と黄の強い対比が目に入り、そこから人のいる場所を少しずつ探せる絵です。
作品の見どころ
目で見た会場を正確に記録する代わりに、音楽を聴いたときの強弱や広がりを、色と形の配置で伝えるように見えます。黄色の広い部分を追い、次に黒い形へ戻ると、明るさと重さの差が感じられます。題名の「印象」は、外から受けた経験を出発点にする呼び方です。音を特定の色へ機械的に翻訳した図と考えるより、演奏会という体験を絵として組み直したものとして見ると分かりやすくなります。
制作背景
1911年、ミュンヘンで聴いたアルノルト・シェーンベルクの演奏会をきっかけに制作されました。演奏会は1月2日に開かれました。人物やピアノの手がかりを残しながら、色の働きを前へ出した点が重要です。音楽と絵画の関係を考え続けたカンディンスキーを知る、具体的な入口になる作品です。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
カンディンスキー 世界は鳴りひびく
宇都宮美術館ほか 編 / マイブックサービス
日本各地の所蔵作を集め、具象から抽象へ進む画業と、日本での受容をたどる展覧会図録です。
楽天ブックスで見る →