白い地の上で、交差する黒い斜線と幾何学的な色面が緊張を作るバウハウス期の作品。
何が描かれているか
白い地の上を太い黒い斜線が交差し、その周囲に黄、赤、青、紫の形が集まっています。三角形や四角形を思わせる部分のそばには、曲線や小さな細線もあります。大きな斜線は画面の外へ突き出すように伸びる一方、周囲の形は中央へ集まります。白い部分が広く残るため、一つずつの形の向きや間隔を追いやすい構成です。
作品の見どころ
交差する線を軸にして、どの色が手前に感じられるかを比べてみましょう。幾何学的な形は冷たい図面のように整列せず、傾きや重なりによって動きを持っています。黒い線の勢いと、紫の曲線のやわらかさも対照的です。《灰色の中で》と比べると、同じ画家が形の数を増やすだけでなく、余白を使って形同士の関係を明快にしていることが分かります。白は塗り忘れた背景ではなく、画面を支える色です。
制作背景
1923年、バウハウスで教えていた時期に、ヴァイマルで制作されました。所蔵館は前年の水彩習作との関係も説明しています。後にはデッサウの家へ飾られました。円や線を主体にする《コンポジション VIII》と合わせて見ると、1920年代の構成の幅を知ることができます。
出典・画像について
画像:ワシリー・カンディンスキー《白の上 II》/Commons掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
Commons個別ページのPD-Art / Public domain表示に基づく忠実な複製。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
カンディンスキー 世界は鳴りひびく
宇都宮美術館ほか 編 / マイブックサービス
日本各地の所蔵作を集め、具象から抽象へ進む画業と、日本での受容をたどる展覧会図録です。
楽天ブックスで見る →