抱き合う騎馬の二人と遠い町を、宝石のような小さな色の粒で包んだ初期の作品。
何が描かれているか
一頭の馬に乗った男女が寄り添い、白い幹の木々の間を進んでいます。川には白い帆の舟が浮かび、対岸には塔や城壁を備えた町が見えます。馬と人物だけでなく、葉、地面、水面にも細かな色の点が置かれ、薄暗い森の中に宝石が散りばめられたようです。
作品の見どころ
注目したいのは、輪郭を一続きの線だけで囲まず、小さな色を集めて形を作るところです。近くでは赤や青の粒が別々に見え、離れると森や衣服のまとまりになります。町の塔や騎馬の人物には、現実の風景というより物語の挿絵のような印象があります。後の抽象画と比べると、色それ自体の響きを重視する姿勢が、人物の読める段階から育っていたことが分かります。
制作背景
所蔵館は制作年を1906〜1907年とし、パリ近郊のセーヴルに滞在していた時期の作品と説明しています。ロシアの昔話を思わせる題材に、装飾的な形と点状の色彩が結びついています。特定の男女の肖像や実在する町の正確な眺めと決めつけず、画家が組み立てた物語的な風景として見ると、その後の変化も追いやすくなります。
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この画家について本で読む
カンディンスキー 世界は鳴りひびく
宇都宮美術館ほか 編 / マイブックサービス
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