暗い地に大小の円が浮かび、重なりと透明さだけで奥行きや動きを作る作品。
何が描かれているか
暗い画面に、青、白、赤、黄、紫の円が大小さまざまに浮かんでいます。大きな円の近くには小さな円が集まり、離れた場所にも単独の円が置かれています。重なる部分では別の色が見え、円が互いを透かしているようです。星や惑星を連想することもできますが、特定の天体の位置を描いた図ではなく、円の配置そのものが画面の主役です。
作品の見どころ
同じ円だけを使っていても、直径、色、明るさ、重なりによって役割が変わります。大きな円から小さな円へ視線を移すと、重心のある場所と、散っていく場所が分かります。グッゲンハイム美術館の解説は、選ばれた部分のニスによる光沢の違いにも注目しています。画面の静けさの中に、透明さや表面の差が組み込まれているのです。《コンポジション VIII》の多様な図形と比べると、形を絞った構成の豊かさが見えます。
制作背景
1926年に油彩で描かれた作品で、所蔵館は制作時期を1〜2月としています。円を単なる記号として置くのではなく、円同士の関係から動きや空間を作る点に、バウハウス期のカンディンスキーの特徴を見ることができます。
出典・画像について
画像:ワシリー・カンディンスキー《いくつかの円》/Commons掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
Commons個別ページのPD-Art / Public domain表示に基づく忠実な複製。
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この画家について本で読む
カンディンスキー 世界は鳴りひびく
宇都宮美術館ほか 編 / マイブックサービス
日本各地の所蔵作を集め、具象から抽象へ進む画業と、日本での受容をたどる展覧会図録です。
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