小さな世界 X(メトロポリタン美術館の刷り)
画家 ワシリー・カンディンスキー →Kleine Welten X (Small Worlds X) / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
中央から離れた小さな形と、点の集まりを探してみましょう。
何が描かれているか
細い線が中央で重なり、その周囲に小さな形や点が離れて浮かんでいます。白い紙の広い余白に、黒い線がかすかに見えます。濃い黒い面の多い《小さな世界 VIII》とは、印象が変わります。
中央には曲線と角ばった線が組み合わさり、右上や右下にも独立した線の集まりがあります。星や天体のようにも見えますが、特定の星座とは決めずに見てみましょう。
作品の見どころ
短い線を重ねた部分は、細い網のように見えます。小さな点の群れは、その周りへ散っています。線を追った後、点が作る広がりも眺めてみましょう。
紙には図柄を囲む四角い版の跡と、下の余白の署名が残っています。線が少ない場所まで含めると、形同士の距離が感じられます。濃さだけでなく、何も描かない場所も見どころです。
制作背景
1922年刊行の版画集《小さな世界》の第十図です。ドライポイントは、金属の版へ針などで直接線を刻み、溝に入れたインクを紙へ移す技法です。ここでは細い線と点が画面を支えます。
版画集では、リトグラフ、木版、ドライポイントの性質を使い分けています。色の面が目立つ第一図、黒白が密に重なる第八図と比べると、線と余白だけでも抽象の世界が広がることが分かります。
出典・画像について
画像:Wassily Kandinsky《小さな世界 X(メトロポリタン美術館の刷り)》/小さな世界 X(メトロポリタン美術館の刷り) — Wassily Kandinsky / Wikimedia Commons / CC0
メトロポリタン美術館からCommonsへ提供された、この画像ファイルのCC0 1.0表示を確認。館の現在の画像サービス全体への許諾とは区別しています。
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