1901〜1902年
39〜40歳頃

ベートーヴェン・フリーズ

画家 グスタフ・クリムト →
Beethovenfries / ベルヴェデーレ美術館(ウィーン分離派会館へ長期貸与)
ベートーヴェンの音楽に結びつけ、人間が幸福を求める道のりを三つの壁に描きました。金属やガラスも使った、一続きの壁画です。

何が描かれているか

人間が幸福を求め、苦難を乗り越えていく道のりを描いた壁画だ。最初の壁では、浮かぶ女性たちの間に、救いを求める人々と甲冑姿の男性が現れる。中央の壁には、大きな怪物や女性たちが集まっている。
最後の壁では、竪琴を持つ人物から、並んで歌う人々と抱き合う男女へと場面が続く。掲載図は、会館の三つの壁を上から左壁、中央壁、右壁の順で見られるよう並べている。横長の各場面を、順番に追ってみよう。

作品の見どころ

人物の輪郭りんかくは細い線で囲まれ、その周囲には広い空白が残る。一方で、衣服や髪には小さな模様が集まる。描き込んだ場所と空いた場所の差が、視線の進む速さを変えるように感じられる。
金属箔だけでなく、ガラスや真珠母も貼り付けられている。真珠母は貝殻の内側にある光る層のことだ。写真では伝わりにくいが、絵の具で塗った面と実際に光る素材を組み合わせた作品でもある。

制作背景

1902年のウィーン分離派第14回展のために作られた。ベートーヴェンの第九交響曲についてのワーグナーの解釈をもとに、幸福への願いを絵画へ置き換えている。
一時的な展示のための壁画だったが、保存と修復を経て、1986年から分離派会館で再び公開されている。

作品情報

材質・技法
モルタルにカゼイン絵の具、金属箔、漆喰、ガラス・真珠母など
寸法
高さ215 cm、全長3414 cm
所蔵
ベルヴェデーレ美術館
展示場所
ウィーン分離派会館(長期貸与)
目録番号
5987

出典・画像について

画像:Gustav Klimt《ベートーヴェン・フリーズ》/Gustav Klimt / Belvedere, Wien — Foto: Alfred Weidinger / Wikimedia Commons; 三面配置: art-timeline
画像の出典 / CC BY-SA 4.0(画像情報:2026-10-01 確認)
三面の区画写真7枚を等比縮小し、左壁(1〜4)、中央壁(5・6を含む配布全景)、右壁(7・8)の順に三段で配置。区画内の白い地・署名・人物は無切り抜きで保持。段間と段右の余白のみ透明。部屋の寸法比を再現した図ではない。合成図はCC BY-SA 4.0で提供。色補正・生成AI処理なし。
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