うずくまる女性の二つの習作
画家 グスタフ・クリムト →Two Studies for a Crouching Woman / メトロポリタン美術館
一枚の紙に残る二つの姿。線の濃さと重なりから、クリムトが身体を捉える様子を見てみよう。
何が描かれているか
縦長の紙に、身体を曲げた女性の姿が二つ描かれている。上の大きな姿は頭を傾け、腕や脚を折り曲げている。左下には小さな姿があり、顔の向きや身体の広がりが上の姿と異なる。
人物の周囲には室内の家具や景色をほとんど描いていない。二つの姿を、同じ場所にいる二人の場面と決めず、姿勢を調べるために並べた形として見てみよう。
作品の見どころ
肩や脚の輪郭には、薄い線と濃い線が重なっている。一本のきれいな線だけで形を閉じず、何度も線を引いた跡が見える。どの部分を強く描き、どこを軽く済ませているかを追うと、目の動きも変わる。
《接吻》の模様で満ちた表面と比べると、ここでは紙の余白が身体を囲む。色や金属の輝きがなくても、頭から肩、腕や脚へつながる曲線が、姿の柔らかさを伝えている。
制作背景
所蔵館は本作を1914〜1915年の黒鉛による素描と記録する。素描は線を中心に形を捉える描き方だ。紙の寸法は54.6×35.2センチで、額を含む大きさとは別である。
クリムトは女性を描く多くの素描を残した。メトロポリタン美術館は、晩年には絵画の準備に限らず、独立した裸婦の素描も制作したと説明する。本作を特定の完成絵の下絵とは断定しない。
出典・画像について
画像:Gustav Klimt《うずくまる女性の二つの習作》/Gustav Klimt / The Metropolitan Museum of Art, Bequest of Scofield Thayer, 1982 / CC0
所蔵館のOpen Access画像(CC0)。全提供画像を等比縮小しました。
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