1907〜1908年
45〜46歳頃

希望II

画家 グスタフ・クリムト
Hope, II / ニューヨーク近代美術館
妊娠を希望だけでなく、死の不安と隣り合わせに描く。美しい装飾の中へ頭蓋骨を置き、生まれることと失うことを同時に考えさせる。

何が描かれているか

妊娠した女性が大きな腹に手を添え、頭を下げる。衣の中には頭蓋骨がのぞき、足元では三人の女性が祈るように手を上げる。
題名は希望だが、出産の喜びだけを描かない。新しい命と、失われるかもしれない命が同じ身体に重なる。大きな腹を中心に顔、頭蓋骨、足元の女性たちを縦にたどると、誕生と死の徴が一本の流れに並ぶ。

作品の見どころ

女性の顔と腹は丸く立体的で、衣は円やうず巻きの平面になる。身体の内側と外側を装飾で分けずに結びつける。
頭蓋骨を見つけた後、下の三人の表情へ視線を移そう。祈りにも哀悼にも見え、題名を単純な答えにしない。衣を埋める円や渦は華やかだが、その間に沈んだ顔が置かれ、祝福だけには見えない重さを残す。

制作背景

1907〜1908年の作品。クリムト自身は《幻影》と呼んだが、先行する妊婦像《希望I》との関係から現在の題名が定着した。
現在はニューヨーク近代美術館所蔵。金、油彩ゆさいに加えてプラチナも使い、工芸的な表面と心理的な主題を結ぶ。現在の題名が後から定着した経緯けいいを知ると、「希望」という言葉だけで場面の意味を決められない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩、金、プラチナ
所蔵
ニューヨーク近代美術館
目録番号
468.1978

出典・画像について

画像:Gustav Klimt希望II》/希望II — Gustav Klimt / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-11 確認)
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