何が描かれているか
長い赤毛の裸の女性が、細い縦長の画面に立っている。女性は正面を向き、手に小さな鏡を掲げる。身体の周囲には青い曲線が広がり、足元には蛇がいる。頭の上と身体の下に、文字を置く場所が作られている。
題名はラテン語で「裸の真実」を意味する。鏡は女性が自分の顔を見るためというより、こちらへ向けられているように見える。ウィーン演劇博物館は、見る人へ自分自身を知るよう求める姿として解説している。
作品の見どころ
肌の明るさと赤い髪は、青と金色に囲まれて強く目立つ。髪の長い線、細い身体、下へ延びる蛇の線をたどると、画面全体の縦の流れを追いやすい。
頭上には、詩人シラーの言葉が記されている。誰もが喜ぶ芸術を目指すより、少数の人を納得させよ、という趣旨だ。文章が飾りではなく、絵をどう受け止めるかに関わることを考えてみよう。
制作背景
1899年に発表されたとき、クリムトは新しい芸術を目指すウィーン分離派の初代会長だった。現在の所蔵館は、妥協しない芸術表現を訴える作品として位置づけている。
1898年には同名の紙作品もある。ここで見るのは、ウィーン演劇博物館が所蔵する1899年の油彩版だ。