1888〜1889年
26〜27歳頃

旧ブルク劇場の観客席

画家 グスタフ・クリムト →
Zuschauerraum im Alten Burgtheater / ウィーン・ミュージアム
演じる人ではなく、観客のいる劇場を描いた紙作品。後年の平らな装飾とは違う、建物の奥行きと小さな人物の描写を見られます。

何が描かれているか

舞台の側から、劇場の観客席を見渡している。いくつもの階に分かれた席が、画面の左右から弧を描いて奥へ続く。中央には大きなシャンデリアが下がり、天井の装飾まで細かく描かれている。
下の席には多くの人が並び、明るい服の女性や黒い服の男性の姿を見分けられる。上階の小さな顔と手前の人物を比べると、広い室内の距離が分かる。舞台上の芝居ではなく、それを見る人々が主役になっている。

作品の見どころ

まず、上階の席の縁を目でたどってみよう。重なる曲線が、建物の奥行きを伝える。手前では扇や衣服、顔の向きが一人ずつ違い、大きな室内が小さな肖像の集まりにも見えてくる。
本作は紙にグアッシュで描かれている。不透明な水彩絵の具を使う技法で、壁の細かな装飾と服の色を同じ画面に収めている。油彩ゆさいの作品と比べながら、紙の作品でもこれだけの密度を作れることを見てほしい。

制作背景

ウィーン市は、取り壊される旧劇場の内部を記録する仕事をクリムトとフランツ・マッチュに依頼した。マッチュが舞台側を描き、クリムトは観客席を担当した。
所蔵館の記録は1888〜1889年とする。新ブルク劇場の天井装飾画や、本作を後に刷った複製ふくせい版画はんがとは別の作品だ。

作品情報

材質・技法
紙にグアッシュ
寸法
91.2 × 103 cm
所蔵
ウィーン・ミュージアム
目録番号
31813/1

出典・画像について

画像:Gustav Klimt《旧ブルク劇場の観客席》/Gustav Klimt / Wien Museum — Foto: Birgit und Peter Kainz
画像の出典 / CC BY 4.0(画像情報:2026-10-01 確認)
取得した全景を保持。長辺2400px以内で等比縮小。色補正・背景除去・生成AI処理なし。
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