1900年(1907年まで改変)
38〜45歳頃

哲学(白黒記録)

画家 グスタフ・クリムト →
Philosophie / 1945年に焼失
大学の天井画として注文され、激しい議論を呼んだ作品。白黒記録に残る人物の連なりを見てみよう。

何が描かれているか

左側に、子どもから年老いた人まで、裸の身体が縦に連なっている。右側には、周囲へ溶け込むような大きな顔が見える。画面の一番下には、暗い布に包まれ、目を開いてこちらを見る女性の顔がある。
ここで見られるのは、焼失した油彩ゆさい画を伝える白黒の記録画像だ。明るい身体と暗い周囲の配置は追えるが、元の色は確かめられない。

作品の見どころ

左の人々は、同じ床に並んで立っているようには見えない。身体が重なり、上下へ続く流れが生まれる。個々の顔と全体を行き来すると、生きる時間の移り変わりを思わせる。
最下部のはっきりした目と、右側の曖昧な顔を比べてみよう。題名は「哲学」だが、教室で学ぶ場面ではない。人の身体や顔を通して、分からないものに向き合う姿として読むことができる。

制作背景

1894年、ウィーン大学の大広間の天井を飾る絵として注文された。1900年に発表された《哲学》には教授たちから反対が出たが、擁護する声もあり、評価は一様ではなかった。
作品には1907年まで手が加えられた。原作は1945年5月、保管先のインメンドルフ城で火災により失われた。残された写真は、作品の姿と、それをめぐる議論を考える手掛かりになっている。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩(原作)
寸法
430 × 300 cm(原作)
現存状況
1945年5月、インメンドルフ城で焼失
掲載画像
原作の白黒記録画像

出典・画像について

画像:Gustav Klimt《哲学(白黒記録)》/Gustav Klimt / Gottfried Fliedl (1989), p.80 / Wikimedia Commons (PD-Art)
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-03 確認)
焼失作品を伝える白黒記録画像です。CommonsのPD-Art/PDM表示に基づく平面複製で、扱いには国・地域差があります。着色・生成修復は行っていません。
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