何が描かれているか
二人の女性が、水草のような曲線に囲まれて寄り添っている。一人は顔をこちらに向け、もう一人は背中を見せる。肌の部分は淡く、髪や身体の周りは金色と細かな模様で埋められている。右下には、大きな目の魚も見える。
題名の「水蛇」は、海にいる実際の蛇を写したという意味ではない。所蔵館は、人間の姿をした水の精のような存在として説明している。身体の輪郭と水草の線が入り交じるところを見ると、人物と周囲の境目が曖昧に感じられる。
作品の見どころ
材料は、動物の皮を加工した羊皮紙だ。所蔵館の技術調査では、肌の部分に素材の自然な色を残しているとされる。明るい身体を白い絵の具だけで作ったものと決めず、下地そのものの働きにも目を向けたい。
水彩やグアッシュ、鉛筆に、金・銀などの金属を組み合わせている。髪の細い線と、身体の斑点や円を比べてみよう。小さな画面に異なる質感が集まり、流れる身体と平らな模様が一つに見える。
制作背景
ベルヴェデーレの作品欄は1904年制作、1907年に加筆と記録する。変化前の写真もあり、髪や衣服の形を改めた過程を技術調査が説明している。
本作の大きさは50×20センチ。縦長の羊皮紙の全体を見て確かめられる。