何が描かれているか
暗い野で女性が身をかがめ、地面の人物を見つめる。空には光が残るが、地上の顔をすぐには見分けられない。戦いの最中を描く《進撃》とは違い、ここでは争いが終わった後の静けさが広がる。女性の手元から横たわる体へ視線を移すと、広い戦場の中で一人を探す行為が中心だと分かる。何を見つけたのかを急いで決めず、その距離を見ていたい。
作品の見どころ
画面の下半分には濃い影があり、上の水平な光と対照を作る。線を重ねたエッチングは、人物を輪郭だけで描くのではなく、暗さの中から少しずつ現す。女性の衣服と地面の境は曖昧で、立っている人と倒れた人が同じ場所に沈む。端の広い白い紙まで含めると、版画の印刷面は一つの窓のように見える。余白は展示室の壁ではなく、所蔵版の紙である。
制作背景
《農民戦争》の第6図で、ケルンの美術館は連作を1908年に刊行された七枚のエッチングとする。題材は16世紀の農民反乱だが、この図は勝敗の説明より、戦闘後に残された人へ目を向ける。掲載画像はデンマーク国立美術館が1907年の作品として公開する所蔵版。作品の制作年と連作の刊行年を分けて示した。