種を挽いてはならない
画家 ケーテ・コルヴィッツ →Saatfrüchte sollen nicht vermahlen werden / ケーテ・コルヴィッツ美術館(ベルリン/掲載写真)
太い腕が子どもたちを包み込む。未来の命を使い尽くしてはならないという、晩年の切実な呼びかけです。
何が描かれているか
一人の女性が両腕を大きく広げ、子どもたちを胸の下に抱え込んでいます。上を向く顔と強く重なる手に対し、下の子どもたちの顔は狭い場所から外をのぞいています。
服や腕が、一つの屋根のように子どもを包みます。それでも子どもの視線は外へ向かい、守る側と外へ出ようとする側の動きが、同じまとまりの中に感じられます。
作品の見どころ
黒い輪郭と白く残された腕を見比べてください。細かな背景を描く代わりに、腕の太さや手の大きさが前へ出ています。やさしく抱くだけでなく、押しとどめる強さのある姿です。
「種を挽いてはならない」という題名は、次に育つための種を、その場で使い尽くさないという言葉です。子どもたちを未来の命として見ると、女性の腕の意味が読み取りやすくなります。
制作背景
1941年のクレヨン・リトグラフです。題名はゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』にある言葉に基づきます。コルヴィッツは以前からこの言葉を使っていました。
同年十二月の日記では、少年たちを包む女性の身ぶりを、感傷的な願いではなく要求として語っています。既存の《二度と戦争をするな》と合わせると、晩年まで続いた子どもを守る呼びかけが見えてきます。
作品情報
所蔵
ケーテ・コルヴィッツ美術館(ベルリン/掲載写真)
位置づけ
晩年にも続く反戦の主題。子どもを守る女性の力強い身ぶり。
出典・画像について
画像:Käthe Kollwitz《種を挽いてはならない》/種を挽いてはならない — Käthe Kollwitz / Wikimedia Commons
画像:Derbrauni / Wikimedia Commons、CC BY 4.0。原JPEG無変更、一覧は等比縮小。
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