1941年
74歳頃
写真:Derbrauni · CC BY 4.0

種を挽いてはならない

画家 ケーテ・コルヴィッツ →
Saatfrüchte sollen nicht vermahlen werden / ケーテ・コルヴィッツ美術館(ベルリン/掲載写真)
太い腕が子どもたちを包み込む。未来の命を使い尽くしてはならないという、晩年の切実な呼びかけです。

何が描かれているか

一人の女性が両腕を大きく広げ、子どもたちを胸の下に抱え込んでいます。上を向く顔と強く重なる手に対し、下の子どもたちの顔は狭い場所から外をのぞいています。
服や腕が、一つの屋根のように子どもを包みます。それでも子どもの視線は外へ向かい、守る側と外へ出ようとする側の動きが、同じまとまりの中に感じられます。

作品の見どころ

黒い輪郭りんかくと白く残された腕を見比べてください。細かな背景を描く代わりに、腕の太さや手の大きさが前へ出ています。やさしく抱くだけでなく、押しとどめる強さのある姿です。
「種を挽いてはならない」という題名は、次に育つための種を、その場で使い尽くさないという言葉です。子どもたちを未来の命として見ると、女性の腕の意味が読み取りやすくなります。

制作背景

1941年のクレヨン・リトグラフです。題名はゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』にある言葉に基づきます。コルヴィッツは以前からこの言葉を使っていました。
同年十二月の日記では、少年たちを包む女性の身ぶりを、感傷的な願いではなく要求として語っています。既存の《二度と戦争をするな》と合わせると、晩年まで続いた子どもを守る呼びかけが見えてきます。

作品情報

材質・技法
クレヨン・リトグラフ(転写式)
所蔵
ケーテ・コルヴィッツ美術館(ベルリン/掲載写真)
目録番号
Kn 274
位置づけ
晩年にも続く反戦の主題。子どもを守る女性の力強い身ぶり。

出典・画像について

画像:Käthe Kollwitz《種を挽いてはならない》/種を挽いてはならない — Käthe Kollwitz / Wikimedia Commons
画像の出典 / Derbrauni / CC BY 4.0(画像情報:2026-10-08 確認)
画像:Derbrauni / Wikimedia Commons、CC BY 4.0。原JPEG無変更、一覧は等比縮小。
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