何が描かれているか
若者たちが身を寄せ、同じ方向へ進む。左端には骸骨を思わせる死の姿があり、青年たちの上には光の筋が走る。題名は《志願兵》。彼らは自分の意志で歩いているようでも、列の行き先を知ると軽い出発の場面には見えなくなる。一人だけを取り出して見ると表情は異なるが、肩と肩が接して大きな流れになっている。初めに左端と中央を見比べたい。
作品の見どころ
木を彫って刷った黒い面が人物を一つの塊にし、白い線が額や肩を走る。背景の説明はほとんどなく、地面や建物より列の方向が強調される。紙の横長の形に沿って視線が進むため、見る人も集団の動きに巻き込まれる。明るい筋は希望の光だけではなく、勢いをつける視覚的な働きもする。黒い姿に戻って見ると、画面の明暗は単純な善悪に分かれない。
制作背景
《戦争》第2図。ケルンの美術館は、制作中のメモを根拠に、画家の息子ペーターとその友人たちが念頭にあったと説明する。ただし掲載する版画を彼らの個別肖像として断定しない。画家自身も当初は戦争への姿勢が変化する途中にあり、連作はその後の反戦の思いを形にした。画像はシュテーデル美術館所蔵の一枚で、連作は1923年に刊行された。