何が描かれているか
暗い室内の床に、人々が横たわる。奥に立つ人もいるが、直前の突撃の勢いは消えている。題名は《終末》。連作の最後で、蜂起の結果を勝利として描かない。床を横切る体と、出入口の近くに立つ体を見比べると、同じ部屋にいる人々の立場の違いが分かる。画面の暗部が広く、目が慣れるまで何人いるのかもつかみにくい。
作品の見どころ
天井の梁や壁には細い線が重なり、部屋そのものが重くのしかかる。手前の体は明るく、奥へ行くほど暗くなるため、見る人は床から室内の深みへ目を移す。エッチングならではの濃淡が、悲劇を説明文なしに伝える。紙の外側の余白は静かでも、印刷された四角い場面には逃げ道が少ない。白い面の残し方まで確かめると、暗さの中に距離がある。
制作背景
六枚の《織工の蜂起》は、貧困、死、計画、行進、攻撃、そしてこの場面へ進む。ケルンの美術館は、画家が特定の1844年の蜂起を正確に復元したのではなく、19世紀末の社会問題を映したと説明する。最後に倒れた人を描くことで、抵抗の代償も見せた。画像はデンマーク国立美術館が公開した所蔵版を用い、額や展示室の壁は含めていない。