1893–1897年(連作)
30歳頃

貧困

画家 ケーテ・コルヴィッツ →
Not / デンマーク国立美術館(コペンハーゲン)
暗い部屋で、母親が寝台の子どもを見つめている。

何が描かれているか

暗い部屋で、母親が寝台の子どもを見つめている。奥には乳児を抱く別の女性も見える。題名の「貧困」は、部屋の狭さだけでなく、病む子を前に何もできない時間を指すようだ。手前の子の顔は白く、周りの大人の体は影に沈む。最初に子どもの位置を探し、次に二人の母親を見比べると、この部屋で起きていることが分かる。

作品の見どころ

石版に描いた線を紙へ刷るリトグラフで、黒い部分にも薄い灰色が残る。部屋の道具や衣服の輪郭りんかくをすべてはっきり描かず、子どもの顔へ光を集めた。紙の広い余白に比べて絵は小さいが、室内の息苦しさは強い。離れて見ると黒い塊が先に届き、近づくと大人の身振りが現れる。子どもの周りを囲む姿勢が、声のない訴えになっている。

制作背景

これは六枚からなる《織工の蜂起》の第1図である。ケルンのコルヴィッツ美術館は、次の「死」とともに反乱へ至る生活の困窮を示す導入だと説明する。ゲルハルト・ハウプトマンの戯曲から着想を得たが、その挿さ絵や1844年の蜂起の忠実な再現ではない。現代の労働者の服装を描き、画家の時代にも続く問題として示した。掲載画像はデンマーク国立美術館所蔵の一枚である。

作品情報

材質・技法
リトグラフ
所蔵
デンマーク国立美術館(コペンハーゲン)
目録
KKS19693

出典・画像について

出典:所蔵館・専門館資料 / 連作全体の解説(2026-09-28 確認)
画像:Käthe Kollwitz《貧困》/Wikimedia Commons / Statens Museum for Kunst
画像の出典 / Public Domain Mark / Wikimedia Commons(画像情報:2026-09-28 確認)
Wikimedia Commons / Statens Museum for Kunst。Public Domain Mark / Wikimedia Commons。
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