1630~1634年頃
39歳頃

クラブのエースを持ついかさま師

画家 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール →
The Cheat with the Ace of Clubs / キンベル美術館
カード卓を囲む四人のうち、左端の男が背後にカードを隠している。

何が描かれているか

カード卓を囲む四人のうち、左端の男が背後にカードを隠している。彼の手にあるのはクラブのエースだ。若い客は自分の札に目を向け、残る二人は視線を交わしている。気づいていない一人と、企みを知る人々という違いが、言葉のない画面で示される。いかさま師がこちらへ顔を向けるため、見る人まで秘密を共有する位置に置かれる。

作品の見どころ

服の赤、白、金の色が目立つ華やかな画面だが、人物の手元へ目を戻すと緊張が増す。カードを持つ手、酒を注ぐ手、互いを確かめる視線が別々の方向へ動く。卓上には大きな身振りがなく、だまし合いはほとんど気配だけで進む。誰がどこを見ているかを順に追うと、一枚の絵に短い物語が立ち上がる。

制作背景

キンベル美術館は1630~34年頃の作品とし、ルーヴル美術館の《ダイヤのエースを持ついかさま師》を、同じ主題のもう一つの作者自身による版と説明する。両作は同じ絵の別名ではなく、札の種類や衣装、細部が異なる。このページではクラブのエースを描いたキンベル所蔵作を示す。二点を比べると、同じ仕掛けを画家がどう変えたかが分かる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
キンベル美術館

出典・画像について

出典:キンベル美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Georges de La Tour《クラブのエースを持ついかさま師》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。所蔵館規程の適用範囲には留保がある。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 再発見された神秘の画家
ジャン=ピエール・キュザン、ディミトリ・サルモン 著 / 創元社
昼の風俗画と夜の宗教画、作品が再発見された経緯をたどる日本語の入門書。2005年刊のため在庫は商品ページで確認してください。
楽天ブックスで見る →