1650年
57歳頃

聖ペテロの否認

画家 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール →
The Denial of Saint Peter / ナント美術館
暗い室内の左で女性がろうそくを持ち、年配の男へ手を向ける。

何が描かれているか

暗い室内の左で女性がろうそくを持ち、年配の男へ手を向ける。男は聖ペテロで、捕らえられたイエスの仲間ではないかと問われる場面が題名になっている。奥では兵士たちが卓を囲み、手元の遊びに気を取られている。ひとつの部屋に、問い詰められる人と、それに関心を向けない人々が同時に描かれる。

作品の見どころ

ろうそくの明るさは左の女性とペテロの顔に届くが、中央から右へ進むにつれ人物は暗がりへ沈む。兵士の顔や帽子を探すと、画面の奥行きが少しずつ分かる。正面近くの大きな背中が二つの集団の間に置かれ、見る人は一度視線を遮られる。場面全体を一目で説明せず、光の差をたどりながら出来事を見つける構図こうずだ。

制作背景

フランス文化省の所蔵目録は1650年の油彩ゆさい画として記録し、ナント美術館の所蔵番号を643とする。同館の《聖ヨセフの夢》とは同じ画家・所蔵館でも別の作品だ。《悔悛する聖ペテロ》は否認後に一人で悔いる姿を描くのに対し、こちらは他人に問われる場面を複数の人物で示す。晩年のラ・トゥールが光を使って人物群をまとめた一例として見られる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
ナント美術館

出典・画像について

出典:ナント美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Georges de La Tour《聖ペテロの否認》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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この画家について本で読む

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 再発見された神秘の画家
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