暗い室内で、赤い衣装の女性がろうそくを持ち、座った年配の男へ身をかがめる。
何が描かれているか
暗い室内で、赤い衣装の女性がろうそくを持ち、座った年配の男へ身をかがめる。男は旧約聖書のヨブで、苦難の中にある夫を妻が責める場面とされる。妻の顔は明るく、ヨブの体は暗がりに沈む。同じ炎のそばにいながら、二人の姿勢と表情は重ならない。何を言っているかは描かれず、言葉の強さだけが身振りから伝わる。
作品の見どころ
細長い画面を上下にたどると、立つ妻と低く座るヨブの高低差が見えてくる。腕を差し出す妻に対し、ヨブは体を縮めて顔を上げる。炎そのものより、赤い布や肌に広がる明るさが目を引く。病や喪失を経験したヨブという題材でも、画家は超自然的な出来事を画面に置かず、向き合う二人の距離に場面を集めた。
制作背景
フランス文化省の所蔵記録は1630年頃の油彩画とし、画面右下の署名も記録する。かつて別の作者と考えられた時期があったが、現在はラ・トゥール作として登録されている。エピナル所蔵の原画と、別の場所で撮られた複製画像を同じものとして扱わないよう、画像の出典も分けて表示する。宗教画でありながら、年配の二人の会話としても見える一枚だ。
出典・画像について
画像:Georges de La Tour《妻に嘲られるヨブ》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。所蔵館規程の適用範囲には留保がある。
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この画家について本で読む
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 再発見された神秘の画家
ジャン=ピエール・キュザン、ディミトリ・サルモン 著 / 創元社
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