1625~1630年頃
34歳頃

楽師たちの争い

画家 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール →
The Musicians’ Brawl / J・ポール・ゲティ美術館
路上で年配の楽師二人が激しく向き合う。

何が描かれているか

路上で年配の楽師二人が激しく向き合う。左の男は手回し式の弦楽器ハーディ・ガーディを抱え、小刀を持つ。中央の男は管楽器を振り上げ、相手の目へレモンを絞りかけている。周囲には笑う楽師と、争いを止めたいように見える女性がいる。何が発端かは描かれておらず、目の前の衝突だけが大きく迫る。

作品の見どころ

中央に重なる腕と楽器を追うと、攻撃と防御の動きがひと目で分かる。背景は狭く、人物たちは画面の前面に押し出されている。顔のしわや衣服の傷みまで描かれ、ろうそくの夜景とは違う、昼の厳しい観察が見える。レモンを目に当てる行為には、男の盲目が本当か確かめる意味があるとゲティ美術館は説明する。

制作背景

ゲティ美術館は1625~30年頃の油彩ゆさい画として登録している。路上で演奏して暮らす人々を、理想化された音楽の場面にはせず、生活の摩擦を伴う集団として示した。同時期の風俗画に見られる身近な題材だが、登場人物の視線と手を密集させることで、静止した絵の中に次の一瞬を想像させる。後年の静かな夜景と比べると表現の幅が分かる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
J・ポール・ゲティ美術館

出典・画像について

出典:J・ポール・ゲティ美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Georges de La Tour《楽師たちの争い》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。所蔵館規程の適用範囲には留保がある。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 再発見された神秘の画家
ジャン=ピエール・キュザン、ディミトリ・サルモン 著 / 創元社
昼の風俗画と夜の宗教画、作品が再発見された経緯をたどる日本語の入門書。2005年刊のため在庫は商品ページで確認してください。
楽天ブックスで見る →