暗い部屋で赤子を抱く女性と、手をかざして見守る年配の女性が向き合う。
何が描かれているか
暗い部屋で赤子を抱く女性と、手をかざして見守る年配の女性が向き合う。ろうそくは年配の女性の手の陰にあり、赤子の顔と布がもっとも明るく見える。題名は《新生児》で、宗教画のような静けさを感じさせるが、画中の二人をマリアや聖アンナと断定する印はない。まずは生まれた子を見守る身近な場面として眺められる。
作品の見どころ
赤い服の大きな形と、白い布の小さな形が対照になる。年配の女性の手が炎を隠すため、光だけが子の体へ届く。二人の顔は互いより赤子に向き、こちらを見返さない。背景をほぼ描かず、母、見守る人、子の三者だけに絵を絞った。大きな動きがないぶん、視線の方向と光の強さが、画面を読む手掛かりになる。
制作背景
レンヌ美術館は1645年頃の油彩画として紹介する。かつて別の画家の作品と考えられた時期があり、20世紀初めの研究でラ・トゥールへ結び直されたことも同館が説明している。所蔵館の教育資料は聖母マリア、幼いイエス、聖アンナと解釈するが、画中に後光などの明示的な印はなく、主題は長く議論されてきた。同じ時期の《羊飼いたちの礼拝》と比べると、聖書の出来事を明示するかどうかの差が分かる。
出典・画像について
画像:Georges de La Tour《新生児》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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