何が描かれているか
長い髪の女性が椅子に座り、机の上の小さな炎を見つめる。彼女はマグダラのマリアで、机には髑髏と鏡が置かれている。髑髏は命の終わり、鏡は虚栄や自己を見つめることに関わる道具として読まれる。静かな部屋の中で、外で起こる出来事より、人物が自分の過去に向き合う時間が主題になっている。
作品の見どころ
ろうそくの光は女性の顔と腕を照らし、机や床へ少しずつ弱まっていく。明るい部分をつなぐと、人物から鏡、髑髏へ視線が巡る。身振りは小さく、表情も劇的に変わらないため、見る人は物の位置と光の反射を頼りに画面を読む。同じ主題のワシントン所蔵作とは座り方や道具の置き方が異なり、別の絵として比べられる。
制作背景
メトロポリタン美術館は1640年頃の油彩画とし、強い明暗、単純な形、瞑想的な雰囲気を特徴に挙げる。マリアについての伝承と画中の姿を区別し、物の象徴も一つの読み方として紹介する。ろうそくがどこを照らし、どこを暗闇に残すかを見ると、ラ・トゥールの夜の絵が人物の内面を直接描かずに示す方法が見えてくる。
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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 再発見された神秘の画家
ジャン=ピエール・キュザン、ディミトリ・サルモン 著 / 創元社
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