矢を受けて倒れた聖セバスティアヌスのそばに、聖イレーネと三人の女性が集まる。
何が描かれているか
矢を受けて倒れた聖セバスティアヌスのそばに、聖イレーネと三人の女性が集まる。イレーネはたいまつを持ち、横たわる人の手に触れる。ほかの女性も暗闇の中で見守るが、全員が同じ仕草をするわけではない。痛みの原因となった暴力そのものより、負傷した人を前にした人々の反応に画面が向けられる。
作品の見どころ
たいまつの光は人物の顔と布に当たり、地面や背景は暗く残る。横たわる体に対して女性たちは縦長に並び、上から下へ視線が導かれる。イレーネの手と涙を手掛かりにすると、大きな声を上げる場面ではない悲しさが伝わる。人物を少ない色と単純な形でまとめた画面は、夜景を描いたラ・トゥールの後期作品らしい静けさを持つ。
制作背景
ルーヴル美術館は1649年頃の原作として登録する。同じ主題にはベルリンなどの別作があり、かつてはどちらが原作か議論された。ルーヴルの調査は、絵を並べた比較と画面の分析から、この所蔵作を原作とみなす。1649年に画家へ支払われた同主題の絵との関係は可能性として示すにとどめている。別の版と混同せず、この作品の所蔵番号を確認して見てほしい。
出典・画像について
画像:Georges de La Tour《聖イレーネに介抱される聖セバスティアヌス》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。所蔵館規程の適用範囲には留保がある。
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