1638年頃
45歳頃

蚤を取る女

画家 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール →
Woman Catching Fleas / ロレーヌ博物館(ナンシー)
一人の女性が暗い室内に座り、衣服の前で手を動かしている。

何が描かれているか

一人の女性が暗い室内に座り、衣服の前で手を動かしている。題名は《蚤を取る女》で、体に付いた小さな虫を探す、ひそやかな行為を示す。周囲には大きな物語を語る人物がいない。目を伏せた顔、曲げた腕、ひざの布だけが光を受け、日常の短い時間が画面いっぱいに広がる。

作品の見どころ

ろうそくは左側に置かれ、炎と光の届く範囲がはっきりしている。明るい手元から暗い背中へ目を移すと、同じ人物の中にも見える部分と見えない部分がある。薄い衣服のしわは柔らかく、背景の壁はほとんど説明されない。夜の宗教画にも似た静けさだが、聖人の持ち物や奇跡ではなく、名のない女性の身近な動作が中心になる。

制作背景

フランス文化省の記録はナンシーのロレーヌ博物館所蔵、1638年と記す。題名の「蚤」は絵の中で大きく描かれるわけではないため、人物の手の動きを読む手掛かりになる。作品は日常の現実を取り上げつつ、明るさを狭い場所に集めるラ・トゥールの夜景にもつながる。掲載画像は文化省の写真ではなく、別に権利表示を確認した複製ふくせいを用いる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ロレーヌ博物館(ナンシー)

出典・画像について

画像:Georges de La Tour《蚤を取る女》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。所蔵館規程の適用範囲には留保がある。
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