1899年
34〜35歳頃

サーカスにて――馬場の演技

画家 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック →
At the Circus: Work in the Ring / シカゴ美術館
曲がる馬場の内側を、馬と演者が進みます。観客席と斜めの柵が、演技の動く空間を作る晩年の素描そびょうです。

何が描かれているか

サーカスの丸い馬場で、灰色の馬が演者を乗せて進んでいます。馬の上の青い衣装と、右側で立つ青い服の人物が目を引きます。奥には観客席があり、手前を斜めに横切る柵が、演技の場所を囲んでいます。馬の体、人物、柵がそれぞれ異なる方向へ伸び、見る側も、丸い会場の一角から演技を追うような位置に置かれます。

作品の見どころ

馬の脚と、馬場を囲む柵の線を見比べてみてください。馬の周りには短い線が重なり、床や観客席にも描画材の跡が見えます。ポスターの一枚の色面とは違い、こすったような調子と線が、一緒に形を作っています。青い衣装は背景の淡い色から浮かび、演者の位置が分かります。

制作背景

1899年に制作された、紙の作品です。シカゴ美術館の目録は、木炭、パステル、黒チョークに加え、色鉛筆の加筆や線を刻む方法を記録しています。ロートレックは初期にも馬上の曲芸師を油彩ゆさいに描き、晩年もサーカスを主題にしました。1887〜1888年の《曲馬師》と並べると、馬と人の動きを見つめながら、色や線の重なりを変えて表したことが分かります。

作品情報

材質・技法
木炭、パステル、黒チョークなど、紙
所蔵
シカゴ美術館
目録番号
1972.1167

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品目録(2026-09-29 確認)
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《サーカスにて――馬場の演技》/Henri de Toulouse-Lautrec / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。 米国での原作品の公表・保護条件は独立には確定していません。
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この画家について本で読む

「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
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