1892年
27〜28歳頃

ムーラン・ルージュのイギリス人

画家 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック →
The Englishman at the Moulin Rouge / メトロポリタン美術館
二人の女性と話すイギリス人画家。顔の近さや目線の違いから、店内の会話の一瞬を見られます。

何が描かれているか

帽子をかぶった男性が、二人の女性と話しています。モデルはロートレックの友人で、イギリス人画家のウィリアム・トム・ウォリナーです。男性の耳や頬には赤が入り、女性の髪、顔、衣服の色がその周りに重なっています。

作品の見どころ

三人の目や口が、それぞれどちらを向くかに注目してみてください。表情を均一に整えず、横顔の線や頭の角度の差によって、人物同士の関係が作られています。背景の細部は少なく、明るい色が顔の周囲に広がります。厚紙の地や薄く塗った筆跡も、画面の軽さにつながっています。赤い耳を恥ずかしさの表現と読むことはできますが、実際の会話や心理を確定した記録ではありません。

制作背景

1892年の油彩ゆさいで、同じ年のリトグラフに向けた準備作として制作されました。完成した油彩を街頭広告と比べるだけでなく、絵から版画はんがへ表現が移る過程も見られる作品です。メトロポリタン美術館は、ウォリナーが二人の女性と話す場面として解説しています。社交場の賑わいを大人数で示す代わりに、少人数の顔の配置から場面を組み立てる方法がよく分かります。

作品情報

材質・技法
油彩、厚紙
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
67.187.108

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品目録(2026-09-29 確認)
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ムーラン・ルージュのイギリス人》/The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-29 確認)
The Metropolitan Museum of ArtがCC0で公開した図版。全景を保ちWebPへ縮小。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
ロートレックが手元に残した作品群を軸に、世紀末パリと女性たちへのまなざしを136点の図版でたどれる一冊です。
楽天ブックスで見る →