卓上の瓶とグラス、頬を支える手。シュザンヌ・ヴァラドンの姿を通して、酒場の静かな一場面を見ます。
何が描かれているか
女性がテーブルに肘をつき、左手で頬を支えて横を見ています。モデルは、後に画家としても活動したシュザンヌ・ヴァラドンです。手前には緑色の酒瓶と、小さなグラスが置かれています。派手な舞台や踊りの場面と違い、人物の動きは少なく、青紫の背景と卓上の明るい色が、顔や手を囲むように広がっています。
作品の見どころ
見どころは、指先から頬、横顔へとつながる線です。顔を正面から説明する肖像ではなく、頬を支える姿勢によって、その場にいる人物の存在が伝わります。薄い絵具の下に線が残り、背景の筆跡も見えます。疲れや物思いを感じることはできますが、表情だけで本人の気持ちを決めつける必要はありません。
制作背景
所蔵館は制作年を1887〜1889年としています。「二日酔い」という題名は、歌手アリスティド・ブリュアンが付けたと伝えられます。ロートレックは絵具を薄め、下描きが見える軽い塗り方を用いています。題名に引っぱられすぎず、姿勢や卓上の配置を見ると、彼が身近な人物を観察しながら、短い線と色で場面を組み立てたことが分かります。
出典・画像について
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《二日酔い(酒を飲む女)》/Daderot / Wikimedia Commons(CC0 1.0)
撮影者DaderotがCC0 1.0で公開した写真。全景を保ちWebPへ縮小。 初期表示は絵画全景。外周の薄い額縁の表示を減らす。額縁を含む採用写真全体へも切替可能。作品の背景や署名は残す。
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この画家について本で読む
「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
ロートレックが手元に残した作品群を軸に、世紀末パリと女性たちへのまなざしを136点の図版でたどれる一冊です。
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