1899年
34〜35歳頃

騎手

画家 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック →
The Jockey / クリーヴランド美術館
大きく跳ぶ馬と、奥へ向かう競走路。初期の馬車の油彩ゆさいとは異なる、平らな色と大胆な切り取りで勢いを伝えます。

何が描かれているか

騎手を乗せた馬が、手前から奥へ斜めに跳ぶように走っています。赤茶色の馬体に、騎手の白い服が重なります。左奥にも別の馬と騎手が見えますが、その一部は画面の端で切れています。薄い緑の地面と青紫の空が、馬体の色を引き立てます。

作品の見どころ

手前の馬の後脚から胴、前脚へと形を追ってみてください。馬が大きく見える一方、奥の騎手は小さく、競走路が遠くへ続く印象があります。地面の色は平らに近く、強い立体的な影はありません。所蔵館は、この大胆な切り取りや平らな色に浮世絵の影響を指摘しています。脚の姿は実際の馬の走り方に忠実とはいえないため、瞬間写真の代わりとして見る作品ではありません。

制作背景

1899年、パリのロンシャン競馬場を主題にした版画はんがです。競馬を扱う版画集に入れる構想がありましたが、計画は実現せず、この図は単独で刊行されました。ロートレックはドガの競馬の絵を好んでいました。十代の馬車の油彩と比べると、馬への長い関心を保ちながら、筆触や明暗から、少ない色と輪郭りんかくによる表現へ移る違いが分かります。

作品情報

材質・技法
カラー・リトグラフ
所蔵
クリーヴランド美術館
目録番号
1967.234

出典・画像について

出典:クリーヴランド美術館 作品目録(2026-09-29 確認)
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《騎手》/The Cleveland Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-29 確認)
Cleveland Museum of ArtがCC0で公開した図版。全景を保ちWebPへ縮小。
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この画家について本で読む

「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
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