白と黒の調子で表した働く女性。雑誌用の図版にも、ロートレックの線と姿勢の観察が生きています。
何が描かれているか
籠を抱えた女性が通りを歩く姿を、黒、灰色、白の調子で描いた作品です。輪郭をたどる線だけでなく、広く塗られた暗い部分と、細く明るい線が組み合わされています。舞台の衣装で人目を引く歌手とは違い、題名が示すのは洗濯の仕事に携わる人です。
作品の見どころ
画面の白い線に注目してみてください。所蔵館の説明によると、白く下塗りした厚紙に黒い描画材を加え、一部を削って明るい細部を出しています。白は何も描かなかった場所だけでなく、暗い面から引き出した光でもあります。人物の形がどの部分ではっきりし、どこで背景と溶け合うかを見ると、細部を全部埋めずに姿を伝える工夫が分かります。
制作背景
1888年、パリの夏についての記事を飾るために制作されました。所蔵館は、暑さを避けて旅行する人々とは対照的に、街に残る低賃金の働き手を描いたと説明しています。白黒で複製される用途に合わせた描画で、油彩《洗濯女》として知られる別の作品と同一ではありません。街の娯楽だけでなく、そこで働く人々への観察も彼の仕事の一部でした。
作品情報
材質・技法
黒と灰色のウォッシュ、白い絵具、灰色の厚紙
出典・画像について
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《洗濯女》/The Cleveland Museum of Art
Cleveland Museum of ArtがCC0で公開した図版。全景を保ちWebPへ縮小。
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この画家について本で読む
「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
ロートレックが手元に残した作品群を軸に、世紀末パリと女性たちへのまなざしを136点の図版でたどれる一冊です。
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