1888年
23〜24歳頃

洗濯女

画家 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック →
The Laundress / クリーヴランド美術館
白と黒の調子で表した働く女性。雑誌用の図版にも、ロートレックの線と姿勢の観察が生きています。

何が描かれているか

籠を抱えた女性が通りを歩く姿を、黒、灰色、白の調子で描いた作品です。輪郭りんかくをたどる線だけでなく、広く塗られた暗い部分と、細く明るい線が組み合わされています。舞台の衣装で人目を引く歌手とは違い、題名が示すのは洗濯の仕事に携わる人です。

作品の見どころ

画面の白い線に注目してみてください。所蔵館の説明によると、白く下塗りした厚紙に黒い描画材を加え、一部を削って明るい細部を出しています。白は何も描かなかった場所だけでなく、暗い面から引き出した光でもあります。人物の形がどの部分ではっきりし、どこで背景と溶け合うかを見ると、細部を全部埋めずに姿を伝える工夫が分かります。

制作背景

1888年、パリの夏についての記事を飾るために制作されました。所蔵館は、暑さを避けて旅行する人々とは対照的に、街に残る低賃金の働き手を描いたと説明しています。白黒で複製ふくせいされる用途に合わせた描画で、油彩ゆさい《洗濯女》として知られる別の作品と同一ではありません。街の娯楽だけでなく、そこで働く人々への観察も彼の仕事の一部でした。

作品情報

材質・技法
黒と灰色のウォッシュ、白い絵具、灰色の厚紙
所蔵
クリーヴランド美術館
目録番号
1952.113

出典・画像について

出典:クリーヴランド美術館 作品目録(2026-09-29 確認)
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《洗濯女》/The Cleveland Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-29 確認)
Cleveland Museum of ArtがCC0で公開した図版。全景を保ちWebPへ縮小。
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この画家について本で読む

「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
ロートレックが手元に残した作品群を軸に、世紀末パリと女性たちへのまなざしを136点の図版でたどれる一冊です。
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