赤い衣装の皇妃と、舞台を囲む人物たち。最晩年のロートレックが、オペラの場面を強い色で描いた油彩です。
何が描かれているか
赤い衣装の女性が中央で椅子に座り、周囲に複数の人物が立っています。右には緑がかった衣装の女性たち、左には暗い服の人物が見えます。主題は、ローマ皇妃を扱ったオペラ《メッサリーヌ》の舞台です。古代の出来事を直接見た記録ではなく、舞台衣装と演技を通して作られた場面を描いています。
作品の見どころ
中央の赤い衣装と、右側の明るい顔や腕を見比べてみてください。画面の両端は暗く、中央の人物へ視線が集まります。油彩の筆跡は残っていますが、色は大きなまとまりとしても感じられます。ボレロを踊るランデールの絵とは違い、ここでは跳ねる裾や脚より、座る人と立つ人の関係が中心です。
制作背景
1900〜1901年の作品です。ロートレックはボルドー滞在中、イジドール・ド・ララのオペラ《メッサリーヌ》に関心を寄せ、関連する絵や習作を制作しました。この一枚はパールマン・コレクションから寄贈され、2026年にロサンゼルス・カウンティ美術館の所蔵となりました。舞台を主題とする仕事が、彼の最晩年まで続いたことを見られます。
出典・画像について
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メッサリナ》/Henri de Toulouse-Lautrec / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。 図版は旧Pearlman Collectionの複製。現在の所蔵はLACMA(2026年寄贈)。
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この画家について本で読む
「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
ロートレックが手元に残した作品群を軸に、世紀末パリと女性たちへのまなざしを136点の図版でたどれる一冊です。
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