1895年
30〜31歳頃

劇場のミシア・ナタンソン

画家 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック →
Madame Thadée Natanson at the Theater / メトロポリタン美術館
左に寄せた横顔と、右側に残る薄い線。完成した広告とは違う、構想途中の描き方を見られる油彩ゆさいの習作しゅうさくです。

何が描かれているか

ミシア・ナタンソンが、体を横へ向けて座っています。画面の左側に頭と上半身が集まり、髪には青紫、肩や背中には明るい色が入っています。右側は人物の部分ほど塗り込まれず、厚紙の茶色い地と薄い線が広く見えます。全体を均一な密度で仕上げた肖像とは違い、色の付いた人物と、線の残る周囲を一緒に見られる作品です。

作品の見どころ

肩の明るい曲線から、髪、横顔へと目を動かしてみてください。この茶色は画像の外側の余白ではなく、作品の厚紙そのものです。右側も含めて見ると、人物が画面の中でどこに置かれたかを確かめられます。ポスター《ラ・ルヴュ・ブランシュ》の整った色面と比べると、途中の線や塗り方の違いが分かります。

制作背景

1895年の習作です。メトロポリタン美術館は、版画はんが集《レスタンプ・オリジナル》最終号の表紙に向けた作品と説明しています。ミシアは詩人や画家を支援した社交の中心人物でした。所蔵館によると、この作品はかつて二つに切り分けられ、後に復元されています。人物の周囲の描き込みも含めて見ると、構図こうずを考えた画面としても楽しめます。

作品情報

材質・技法
油彩、厚紙
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
64.153

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品目録(2026-09-29 確認)
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《劇場のミシア・ナタンソン》/The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-29 確認)
The Metropolitan Museum of ArtがCC0で公開した図版。全景を保ちWebPへ縮小。
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この画家について本で読む

「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
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