1899年頃
34〜35歳頃

ラ・モールの個室にて

画家 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック →
In a Private Dining Room at the Rat Mort / コートールド美術館
灯ともりの下に浮かぶ女性の顔と、赤い座席。晩年の油彩ゆさいで、店の個室を近い距離から描いています。

何が描かれているか

帽子をかぶった女性が、食卓の前に座っています。右の男性は体の一部だけが見え、テーブルの縁や食器も画面の手前で切れています。女性の顔には明るい黄緑の光が当たり、口の赤が強く浮かびます。背後の座席も赤く、暗い服や壁との間に色の差があります。

作品の見どころ

女性の顔の光と、暗い帽子や服を見比べてみてください。肌は自然な一色にまとめられず、店内の灯りによって色が変わって見えます。隣の人物が途中までしか見えないため、女性の顔に目が戻ります。笑顔から場の親しさを感じることはできますが、本人の気持ちや会話の内容までは、絵だけで決められません。

制作背景

1899年頃、モンマルトルのカフェ、ラ・モールの個室を描いた作品です。所蔵館は女性をリュシー・ジュールダンと推定していますが、確定した名前としては扱っていません。ラ・モールのこうした部屋は、私的な食事や逢瀬にも使われました。《二日酔い》と見比べると、同じ卓上の人物でも、姿勢、照明、近さによって、まったく異なる場面が作られることが分かります。

作品情報

材質・技法
油彩、カンヴァス
所蔵
コートールド美術館
目録番号
P.1948.SC.466

出典・画像について

出典:コートールド美術館 作品目録(2026-09-29 確認)
画像:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ラ・モールの個室にて》/Henri de Toulouse-Lautrec / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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この画家について本で読む

「不在」トゥールーズ=ロートレック
三菱一号館美術館 著・編・監修/安井裕雄 監修/小林エリカ 著 / 青幻舎
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