1459年頃
53歳頃

森の礼拝

画家 フィリッポ・リッピ
The Adoration in the Forest / ベルリン絵画館
深い森の暗さの中へ幼子おさなごを置き、誕生の場面を静かな祈りに変えた。

何が描かれているか

暗い森の地面に幼子キリストが横たわり、聖母マリアがひざまずいて両手を合わせる。幼い洗礼者せんれいしゃ聖ヨハネも加わり、上方では父なる神とはとが光を送る。
馬小屋、羊飼い、聖ヨセフは見えず、岩、切り株、花、小川が画面を満たす。誕生の物語を説明する建物を外し、森そのものを祈りの場所へ変えている。

作品の見どころ

暗い木々の間に聖母の青い衣と幼子の明るい身体が浮かぶ。縦長の画面を上から下へ走る光が、父なる神、鳩、幼子を結び、森の深さに一本の中心線をつくる。
木の根、苔、花、水を細かく描き、静物のように見る楽しさを残す。自然は背景ではなく、閉ざされた礼拝堂の中で、創造された世界全体が幼子を迎える舞台になる。

制作背景

ベルリン絵画館が所蔵し、1459年頃の作品として知られる。メディチ家の礼拝空間との関係が論じられてきたが、当初の置かれ方の細部は推定を含む。
通常の降誕図から登場人物と建築を減らしたため、見る人は物語の順序より、幼子へ向かう祈りに集中する。リッピの装飾性と修道的な静けさが同居する作品である。

作品情報

材質・技法
テンペラ、板
所蔵
ベルリン絵画館
位置づけ
建物や聖ヨセフを省き、深い森と岩の中で聖母、幼子、ヨハネの祈りへ集中させた。

出典・画像について

画像:Fra Filippo Lippi森の礼拝》/森の礼拝 — Fra Filippo Lippi / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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この画家について本で読む

イタリア・ルネサンス美術館
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