1450〜1453年頃
40代半ば頃

受胎告知じゅたいこくち(ロンドン)

画家 フィリッポ・リッピ
The Annunciation / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
金の光と大きな翼で、宮殿の室内に受胎告知の瞬間を現した。

何が描かれているか

大きな孔雀の羽のような翼を広げたガブリエルが、花の咲く庭の前でひざまずく。マリアは室内の椅子に座り、胸元に差す金色の光を見つめながら頭を下げる。
上の青い雲から神の手が現れ、はとを送り出す。低い壁には白い百合の花器が置かれ、庭と室内を分けながら、天使からマリアへ視線を渡す中間点になる。

作品の見どころ

横長画面いっぱいに翼と庭を広げても、金の光がマリアの胸へ集まるため、物語の中心を見失わない。金箔は輪郭りんかくの飾りではなく、目に見えない働きを可視化している。
庭の草花、孔雀色の翼、刺繍の衣を細かく描き、宮殿の装飾画にふさわしい豊かさを出す。一方、二人の伏せた顔と距離が、華やかさの中に静かな応答を残す。

制作背景

ナショナル・ギャラリーは1450〜1453年頃の卵テンペラ画とする。フィレンツェのメディチ宮殿に由来し、ほぼ同じ大きさの《七聖人》と対で置かれた可能性が高い。
半円形の輪郭が最初からの形か、後に整えられたかには検討がある。扉の上や室内装飾としての位置が提案されるが、確定した設置場所として言い切らない。

作品情報

材質・技法
卵テンペラ、板
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
位置づけ
メディチ家の宮殿にあった横長画面で、《七聖人》と対をなしていた可能性が高い。

出典・画像について

画像:Fra Filippo Lippi受胎告知(ロンドン)》/受胎告知(ロンドン) — Fra Filippo Lippi / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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