何が描かれているか
金色の背景の前に聖母子が座り、左右を聖ステファノと洗礼者ヨハネが囲む。足元では赤い衣の商人フランチェスコ・ダティーニがひざまずき、その前にさらに小さい四人の男性が並ぶ。
四人は、貧しい人々を助けるプラートの慈善団体「チェッポ」の管理者たちである。団体を創設したダティーニが、聖母へ彼らを紹介するように描かれる。町の宗教と援助の仕組みが、一枚の絵で結びつく。
作品の見どころ
人物の大小は単なる遠近ではない。聖母子と聖人、ダティーニ、四人の管理者という順に小さくなることで、役割の違いが示される。それでも小さな四人は一人ずつ顔が異なり、実在の人々として見える。
衣の金の模様、聖母の冠、幼子の丸い身体を見た後で、傷みのある顔や表面にも目を向けたい。本作は長く屋外に置かれていた。現在の色や輪郭には、保存の歴史も重なっている。
制作背景
1452〜1453年、チェッポがダティーニ宮殿の中庭に置くために注文した。所蔵館は、団体がリッピのプラートでの大きな仕事を支えたことも説明する。町の組織を記念する役割も持つ。
館の解説によれば、19世紀末まで屋外の風雨にさらされ、絵の表面は大きく損なわれた。修復で金地や衣の表現が読みやすくなったが、残る傷みを消した完全な姿ではない。