1439〜1447年頃
30代後半〜41歳頃

聖母戴冠

画家 フィリッポ・リッピ
Coronation of the Virgin / ウフィツィ美術館
天上の戴冠を、注文者や画家も加わるフィレンツェの大群像へ広げた。

何が描かれているか

父なる神が高い石の座に座り、ひざまずく聖母マリアへ冠を授ける。周囲には白い百合を持つ天使、聖人、修道士しゅうどうし、殉教者が密集し、青い同心円が天上の空間を示す。
前景右には注文者フランチェスコ・マリンギが祈り、左奥には白い修道服の画家自身とされる人物がこちらを見る。天上の出来事へ現実の注文者と制作する画家が加わる。

作品の見どころ

人物が多い画面を、中央の戴冠、左右の聖人、前景の注文者という層に分けている。石の座と青い帯が奥行きをつくり、白い百合の反復が群像の中で視線を戻す。
人物の頭が下方から現れるように見えるのは、修道院しゅうどういんの高い聖歌隊席から見る条件を考えた工夫と説明される。正面だけでなく、置かれる場所から逆算して構成された祭壇画さいだんがである。

制作背景

ウフィツィ美術館は1439〜1447年頃、サンタンブロージョ教会の主祭壇のための作品とする。注文者の遺贈に支えられ、400フローリンを超える報酬で完成した記録が残る。
大きな仕事にはフラ・ディアマンテら協力者も参加した。画面全体をリッピ一人の筆とみなさず、構想と主要人物を中心に、工房による祭壇画制作として見る必要がある。

作品情報

材質・技法
テンペラ、板
所蔵
ウフィツィ美術館
位置づけ
サンタンブロージョ教会の主祭壇画。注文者と画家自身を含む大きな群像として構成された。

出典・画像について

出典:ウフィツィ美術館 作品記録2026-09-22 確認)
画像:Fra Filippo Lippi聖母戴冠》/聖母戴冠 — Fra Filippo Lippi / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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この画家について本で読む

イタリア・ルネサンス美術館
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