何が描かれているか
豪華な赤い衣と宝飾を身につけた女性が、室内で左向きの横顔を見せる。奥の窓には赤い帽子の男性が現れ、女性の方を見つめるが、二人の視線は直接は合わない。
女性の手前には低い壁があり、袖には文字が刺繍される。窓の外には建物と空が見え、男性はその外側に立つため、二人は同じ画面の中で別の空間へ分けられている。
作品の見どころ
横顔は記念メダルのように輪郭をはっきり見せ、衣、真珠、髪飾りが家の地位を伝える。一方、男性を窓からのぞかせることで、型どおりの肖像に二人の関係と距離が生まれた。
女性の大きな横顔と、奥の小さな男性を比べると、空間の深さが分かる。現実の窓であると同時に、相手を見る枠、外の世界を示す枠としても働いている。
制作背景
メトロポリタン美術館は1440年頃、板にテンペラの作品として所蔵する。フィレンツェで早い時期の独立した二人肖像の一つで、衣装や紋章から婚姻との関係が研究されてきた。
女性と男性を特定する提案はあるが、決定していない。特定の夫婦名を本文で確定せず、婚姻や家の記憶に関わる可能性と、現に見える二人の配置を分けて考える。