1452〜1464年頃
40代後半〜50代後半頃

ヘロデの宴

画家 フィリッポ・リッピ
The Feast of Herod / プラート大聖堂
華やかな踊りと残酷な結末を、広い建築の中で同時に進める。

何が描かれているか

大きな宮殿の宴でサロメが軽やかに踊り、ヘロデと客たちが食卓から見つめる。画面左では洗礼者せんれいしゃ聖ヨハネの首が盆に載せられ、右ではサロメが母へ盆を渡す。
一枚の壁画に、踊り、処刑後の首の提示、母への受け渡しという異なる時点が並ぶ。床の格子、柱、階段が広間を区切り、同じ人物を順に追える。

作品の見どころ

中央のサロメの衣は大きく弧を描き、宴の視線を集める。その華やかな動きの左右に残酷な結果を置くため、祝宴の美しさと命令の重さが同時に見える。
遠近法えんきんほうで広い舞台をつくり、人物の大きさを場所に合わせて変える。建築を背景として飾るだけでなく、時間の異なる三場面を混乱なく配置するための仕切りに使っている。

制作背景

プラート大聖堂主礼拝堂の洗礼者聖ヨハネ伝に属し、連作れんさくは1452年から1464年頃まで続いた。長い中断と工房協力を含むため、制作を一時点や一人の手に単純化しない。
聖ヨハネはフィレンツェと近隣地域で重要な守護聖人だった。リッピは宗教物語を同時代の宮廷宴会のように描き、鑑賞者が人物の服、礼儀、動線から出来事を読めるようにした。

作品情報

材質・技法
フレスコ
所蔵
プラート大聖堂
位置づけ
洗礼者聖ヨハネ伝の壁画連作の一場面。同じ空間に踊りと首の受け渡しを連続して描く。

出典・画像について

画像:Fra Filippo Lippiヘロデの宴》/ヘロデの宴 — Fra Filippo Lippi / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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この画家について本で読む

イタリア・ルネサンス美術館
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