何が描かれているか
横たわる聖ヒエロニムスの身体を、修道服の人々が取り囲む。近づいて顔を見る人、手を合わせる人、衣をつかむ人がいる。手前右では、赤い衣をまとった注文者ジェミニアーノ・インギラミがひざまずく。
上部にはキリスト、父なる神、鳩で表される聖霊という三位一体の像と、天使や聖人の物語が重なる。地上の葬儀と天上の場面を、縦長で尖った祭壇画の形が一続きに収めている。
作品の見どころ
下の修道士たちの顔と手を一人ずつ見たい。全員が同じ悲しみの表情をするのではなく、身体への近づき方や視線が異なる。所蔵館も、灰色の修道服の柔らかな色の変化と、反応の違いを本作の特徴に挙げる。
注文者の隣には、館の解説で癒やされた人物とされる男性が座る。葬儀の厳かな場へ、それぞれの身体や動きを持つ人が入り込む。
制作背景
大聖堂の聖職者インギラミが注文した。館の展示解説は1455年頃、2024年の返還記事は1453年頃と説明するため、本頁では1453〜1455年頃と幅を残す。制作年を確定させる年記としては扱わない。
所蔵館は上部の華やかな場面に工房の手が認められるとする。人物が集まる下部との違いを比べたい。もとは大聖堂に置かれ、現在はその付属美術館で守られている。