1453〜1455年頃
40代後半頃

聖ヒエロニムスの葬儀

画家 フィリッポ・リッピ →
Esequie di san Girolamo / プラート大聖堂付属美術館
顔と手の違いから悲しみを読み、上部の天上の像と見比べる。

何が描かれているか

横たわる聖ヒエロニムスの身体を、修道服の人々が取り囲む。近づいて顔を見る人、手を合わせる人、衣をつかむ人がいる。手前右では、赤い衣をまとった注文者ジェミニアーノ・インギラミがひざまずく。
上部にはキリスト、父なる神、鳩はとで表される聖霊せいれいという三位一体の像と、天使や聖人の物語が重なる。地上の葬儀と天上の場面を、縦長で尖った祭壇画さいだんがの形が一続きに収めている。

作品の見どころ

下の修道士しゅうどうしたちの顔と手を一人ずつ見たい。全員が同じ悲しみの表情をするのではなく、身体への近づき方や視線が異なる。所蔵館も、灰色の修道服の柔らかな色の変化と、反応の違いを本作の特徴に挙げる。
注文者の隣には、館の解説で癒やされた人物とされる男性が座る。葬儀の厳かな場へ、それぞれの身体や動きを持つ人が入り込む。

制作背景

大聖堂の聖職者インギラミが注文した。館の展示解説は1455年頃、2024年の返還記事は1453年頃と説明するため、本頁では1453〜1455年頃と幅を残す。制作年を確定させる年記としては扱わない。
所蔵館は上部の華やかな場面に工房の手が認められるとする。人物が集まる下部との違いを比べたい。もとは大聖堂に置かれ、現在はその付属美術館で守られている。

作品情報

材質・技法
板絵
所蔵
プラート大聖堂付属美術館
位置づけ
葬儀を囲む表情と、上部の天上の場面をつないだ祭壇画。工房の参加と年代の幅を残す。

出典・画像について

画像:Fra Filippo Lippi and workshop(本文に協力者・年代の留保)《聖ヒエロニムスの葬儀》/Fabrizio Garrisi / Wikimedia Commons
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-04 確認)
写真: Fabrizio Garrisi / Wikimedia Commons、CC0 1.0。原作品のPDと撮影のCC0は別に確認。作品・額縁を保持し、作品外の背景だけ表示時の輪郭で隠します。色補正・生成処理なし。
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この画家について本で読む

イタリア・ルネサンス美術館
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