1447年
41歳頃

聖ベルナルドゥスに現れる聖母

画家 フィリッポ・リッピ
Saint Bernard's Vision of the Virgin / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
岩場の読書へ聖母の出現を重ね、内面的な出来事として見せる。

何が描かれているか

白い修道服の聖ベルナルドゥスが岩を机にして本へ向かい、現れた聖母マリアの言葉を聞く。聖母は本を指し示し、幼子おさなごキリストと天使たちがその周囲を囲む。
奥では二人の修道士しゅうどうしが岩陰から場面を見つめ、一人は強い光を避けるように顔を覆う。森、岩、細い道具だけで、町から離れた黙想の場所がつくられている。

作品の見どころ

六角形の横長画面に合わせ、岩と人物を低く広げている。聖人の机、聖母の手、開いた本が一直線につながり、奇跡を光の爆発ではなく、読むことと聞くことの延長として見せる。
絵具の表面は摩耗し、聖人の筆など見えにくくなった部分がある。それでも、現実の岩を机に変える工夫と、背後からのぞく二人によって、静かな体験に物語の奥行きが残る。

制作背景

ナショナル・ギャラリーは1447年の卵テンペラ画とし、フィレンツェの市庁舎パラッツォ・ヴェッキオで扉の上に置かれた可能性を示す。聖ベルナルドゥスは同建物の守護聖人だった。
画面が後に四辺で切られ、悪魔の尾らしい痕跡だけが残るため、細部の意味は完全には確定しない。主題も最も可能性の高い「聖母の出現」として限定して読む。

作品情報

材質・技法
卵テンペラ、板
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
位置づけ
扉の上に置く六角形の画面として作られた可能性が高い。主題の細部には不確実性が残る。

出典・画像について

画像:Fra Filippo Lippi聖ベルナルドゥスに現れる聖母》/聖ベルナルドゥスに現れる聖母 — Fra Filippo Lippi / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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この画家について本で読む

イタリア・ルネサンス美術館
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